夕闇小やみの神楽坂 肉イタリア料理カルネヤ店主の目線に映ることやモノ
by mangiamocarne29
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松阪牛芯芯のカツレツ
綺麗でしょう?松阪牛のカツレツ。
ウェットエイジングで4週間熟成させた後に
杉の木のまな板の上で香りを移しながら2週間ドライエイジングを施した松阪牛。
肉質等級でいえばA5といわれる最上級な肉の処女のメス牛。
そりゃぁそりゃぁ旨い。
よく口の中でとろけるよう、との表現がされるのだがこれ実にホントなこと。
実際に松阪牛の脂の融点温度は多くの黒毛和牛に比べてみて7度くらい低い。
通常和牛は脂(サシ)の融点が25度くらいが一般的なのだけど、
松阪牛は17~8度とかなりの差があって、やっぱりその差の分だけ
口の中でさ~っと溶けていくような感覚に陥るのは数字の上でも明らかっぽいなぁ。
でもサシのあまり入らない部位もいろいろある。
実際問題で松阪牛などは脂(サシ)の値段が高価なわけであって
これは松阪牛が65~80度の熱でさっと火を通すような調理法、
たとえばすき焼きしゃぶしゃぶなどが最も和牛香と呼ばれる
熟れた桃みたいなあま~い香り(オレは牛フェロモンて呼んでる)を
湯気とともに湧きあがって充満させて、まぁ一種の禁断の秘薬の要素もあるのかな。
だからサシのよく入るサーロインやリブ、ヒレ、など中心に近いほど値段がする。
てぇことはやっぱりイチボとか内モモ、外モモという中心から離れてる部位は
サシなどもぎっしりではない分、案外にも値は高くないので仕入れやすいでおます。
しかも意外にも業者も売れないから叩けばさらにそれなりの成果が上がる。
今回市場値のおよそ半額にちかい値で仕入れることができた。
ここでこういうことを書いてしまうのがオレの商売下手な証拠で、
やっぱ安く仕入れても同じ値段で提供するのが資本主義経営の基本理念であって
言うなれば自民党的政治といったところか。
で、サシぎっしりでない赤身旨肉の松阪牛のカツレツって食べてみたくない?
と、とんとん拍子な自分目線で好きこそものの上手なれ的に完成しつつあるこの料理。
お客さんに提供する際に格好良く盛りつけるために端っこを切るのだけど、
その端っこのきれはしカツレツですらもなんとも美味くてけっこーやみつきよ。
あ、補足でオレの中ではM・Jといえば松阪牛・ジャパンよ。
by mangiamocarne29
| 2009-07-10 16:33
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